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(11)PR計画と実施

広告宣伝戦略の見直し
医療機関の広告に関しては医療法第69条から71条に定められ
ている内容以外は広告が禁じられています。先生方はよくご存知
であるとは思いますが、医療法第69条で許されている広告の
内容は下記のとおりです。

1.医師又は歯科医師である旨
2.次条第1項の規定による診療科名
3.次条第2項の規定による診療科名
4.病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
5.常時診療に従事する医師又は歯科医師の氏名
6.診療日又は診療時間
7.入院設備の有無
8.紹介をすることができる他の病院又は診療所の名称
9.診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報を提供すること
ができる旨
10.前各号に掲げる事項のほか、第14条の2第1項第4号に掲げる
事項
11.その他厚生労働大臣の定める事項

こう見てくると、広告で先生の医院の特徴をアピールすることは
ほとんど不可能であることがわかります。

そこで、広報とPRが重要性であるということになります。

ここで広告と広報の違いを考えてみますと、広告は不特定多数に告知
するものであり、広報は院内で配布するなど特定の人に配布する印刷
物等または新聞雑誌の記事等であるということになります。

そして、ホームページは広告には当たらないとされています。

ここで、医院の情報発信の手段を整理しますと次のようになります。

広告・・・看板、雑誌新聞等の広告、チラシのポスティング、
戸別訪問
広報・・・広報誌、ホームページ、パンフレット
PR・・・マスコミ、ケーブルテレビ、ミニコミ誌、地域活動への
協力、講演会の企画、地域活動への参加と協力

以上の3つの方法の内容と媒体の数と予想される効果をまとめると以下
のようになります。

広告  内容は規制されておりどこの医院も同じ。媒体はいろいろ
    あるけれども効果は限定的。所在の告知の効果しか望めない。

広報  内容は豊富で自由であり差別化できる。媒体は限られ配布先
    も院内等に限定される。したがって、効果も限定的であり、
    特に新しい患者さんの獲得はほとんど期待できない。

PR  内容の自由度も高く媒体も豊富であり、発信者が第三者で
    あるため、内容の信頼性が高い。また、対象読者も多く
    新しい患者さんの獲得には圧倒的な強さがある。
    ただし、その内容を医院側で100%コントロールできない
    ので、情報の発信には注意が必要。効果は非常に大きい。

こう見てくると告知の手段としては、効果の大きさから次のように
考えられます。

PR>>広報>広告

逆に、費用の面から言うと次のようになります。

広告>広報>>PR

病医院として何に費用を掛けるべきかがこれではっきりとします。

PR>>広報>広告

です。

ところでPRに時間と費用を掛けていらっしゃる病医院は皆無と
いってもいいでしょう。ここでPRの意味をもう一度確認して
おきましょう。

先生方はすでにご存知だと思いますが、PRとはパブリック・
リレーションであり、広義の広報に相当するものです。

今回の総選挙で自民党が296の議席を獲得し大勝しました。
その原動力になったのはPR会社「プラップジャパン」といわれ
ています。

この会社はNHKのビジネス英語講座の超人気講師杉田敏氏が
副社長をしていることでも知られています。

一方、2003年、2004年の選挙では民主党がPRコンサル
ティング会社の「フライシュマン・ヒラード・ジャパン」を
使って、マニフェストを訴えて勝利を収めました。その反省から
自民党は今回の選挙で広報に力を入れたといわれています。

両党に共通した広報戦略は、広報メディア使い分けです。

機関紙は党員の結束強化に、ホームページを中心としたネットは
無党派取り込みに使いました。

政治と医療は別物ですので短絡的に同じ手法を使うことはでき
ませんが、原理原則は相通じるものがあります。

1、広報戦略をトップが協力に推進したこと
2、広報メディアを使い分けたこと
3、主導権は政治家が取りながらPRの専門家を活用したこと

以上の3つの原理原則は政治家を院長に置き換えれば十分に
通用します。

先生の日常の時間の使い方をもう一度見直してみましょう。

PRに十分な時間が取れているでしょうか。

マスコミ、ケーブルテレビ、ミニコミ誌、地域活動への協力、
講演会の企画、地域活動への参加と協力に時間をどれくらい
使っていらっしゃるでしょうか。

マスコミといえば診療所には縁がないと思っていらっしゃい
ませんか。そんなことはありません。

マスコミに登場する診療所の先生はたくさんいらっしゃいます。
あるいは全国紙に登場するのは難しいですが、地方の新聞に取り
上げられることはそれほど難しくはありません。
ミニコミ誌ならもっと簡単です。

地域で医師会が健康相談を実施するというようなことは非常に
記事になりやすいものです。そのときに、こまめに参加して
いらっしゃるでしょうか。

年金、社会保険、老齢化社会、健康意識の高まり、健康食品
ブーム等々を考えれば医療はマスコミの大きな関心事であり、
コメントをいただける医師を探しているのが、現状です。

マスコミ関係者との適度な関係を保つことはまさにPRの重要な
課題ともいえます。

時間と費用を何に費やしているのか今一度ご確認ください。


いかに開業を告知するか
<目次>
1.開業予定地近くの店舗を積極的に活用
2.名刺
3.看板
4.スタッフ募集広告
5.地域の有力者
6.挨拶状
7.パンフレット
8.開業イベント
9.マスコミ・ミニコミの利用
10.戸別訪問
11.地域で健康相談会、講演活動
12.電話帳と電話番号
13.開院式
――――――――――――――――――――――――――――――
1.開業予定地近くの店舗を積極的に活用
開業予定地の近くの店舗に自院の開業案内や小冊子あるいはパンフ
レットを置いていただくのは効果があります。

単に配布するのと比べて、顔見知りの店のご主人やスタッフから
手渡されたりすると注目率は非常に高いといえます。

それだけに制作するときには最新の注意を払いたいものです。

2.名刺
「たかが名刺、されど名刺」です。
本人が直接相手に渡すわけですから、これほど重要な広告宣伝媒体は
ありません。

その割には工夫がほとんどなされていないのも名刺の特徴です。
中には、A4サイズの名刺を作った人もいるそうですが、これはもう
名刺とはいえませんね。

それでも工夫をして、2つ折、3つ折、4つ折で情報量を増やしている
方もいらっしゃいます。4つ折くらいになるとA4の用紙と同じくらい
の情報量を詰め込むことも可能です。ぜひ、先生独自の名刺を工夫して
作っていただきたいものです。

3.看板
看板の種類は非常に多いのですべてを検討することはできません。
ここでは、場所による分類だけを検討します。

カーマーキング、駅看板、野立て看板、(医院の)屋外看板が主なもの
です。

駅看板と野立て看板は非常にポピュラーで目に付きやすいのですが、
料金が高いので費用対効果を十分に検討してその採否を決める必要
があります。

カーマーキングは業務用の自動車があれば制作費だけでつけることが
できます。

医院に立てる屋外看板も壁面、突き出し、スタンドなどの種類があり
ます。立地によって最適な組み合わせを選ぶことが必要です。
特に、ビル診などではスタンド式の看板が必須です。

4.スタッフ募集広告
スタッフ募集広告が広告宣伝だというのは常識といえますが、それを
上手に利用している先生は少ないようです。

経費を節約するためにアイデムだけで募集している先生もいらっしゃい
ますが、もったいないことです。

開院の1ヶ月くらい前にスタッフ募集広告を新聞折込で入れると告知の
効果は非常に高くなります。

ただし、医療法上の広告規制は当然適用されますので注意が必要です。

5.地域の有力者
地域の有力者としては老人会、商店街、ロータリークラブ、ライオンズ
クラブ、自治会などの名簿を入手して挨拶状を配ることは最低限必要
でしょう。

その中でも特に会長や代表などには直接面会して挨拶状を手渡すのが
望ましいといえます。

6.挨拶状
挨拶状は本人に直接届くのでインパクトは強いといえます。

ただ、最近は個人情報保護法の関係で以前より入手が難しくなっています。
また、受け取ったほうも神経質な方の場合には名簿の入手先を確認される
場合もありますので、取り扱いには注意が必要です。

7.パンフレット
できれば院内で配布するものと院外で配布するものと2種類作って
おいたほうがいいでしょう。

ただし、院外で配布する場合でも不特定多数に配布するのではなく、
知人から配布してもらう場合は特に分ける必要はありません。

印刷物全般に言えることですが、一度印刷すると変更がきかないので校正は
念入りに行う必要があります。

8.開業イベント
最近は見学会を催す医院がかなり増えてきたようです。
ただ、診療科によっては見学会はないほうがいい場合もあります。

産婦人科や人工透析などでその施設で差別化をはかりたい場合には有効で
あるといえます。

いずれの場合でも、建築業者の主催にするなどの工夫をして医療法に配慮
することは必要でしょう。

9.マスコミ・ミニコミの利用
マスコミの利用はなかなか難しいのですが、ミニコミ誌の利用は金額も
手ごろで利用する価値は高いといえます。

ミニコミ誌の利用で気をつけたいことは記事風にするということです。

ミニコミ誌では医院の開業自体がニュースになりますのでプレス
リリースを送付すると同時に広告も発注すれば好意的に書いてくれる
可能性が高まることがあるかもしれません。

10.戸別訪問
戸別訪問はやり方によっては逆効果になることもあります。
また、訪問するほうも訪問先で迷惑そうな顔をされると精神的にも参って
しまいますので、相手を厳選して周到に準備して行う必要があります。

やはりオピニオンリーダーとして影響力のある人に絞って行うのがコツです。

11.地域で健康相談会、講演活動
地域の団体の主テで健康相談会や講演会に講師として招かれることがありますが、
その場合は積極的に参加しましょう。

また、先生のほうから得意分野の講演会を売り込むのも検討の余地が
あります。特に、地域の有力者を戸別訪問して挨拶状を手渡して
アピールしておくことが大切です。

12.電話帳と電話番号
電話帳に広告を載せるのは当然のことです。電話番号も選べる場合はゴロを
合わせるなどの工夫がほしいところです。

電話帳に関して意外に盲点になっているのがiタウンページです。
インターネットから電話番号を検索できるので、引っ越してきた人の
利用率は結構高いと思われます。

また、仕事場で急に気分が悪くなった場合もインターネットで検索
することが多いのです。

その場合、iタウンページにはホームページのURLをリンクさせる
サービスがありますのでぜひ利用したいものです。

13.開院式
開院式は見学会と基本的には同じですが、特に地域の有力者を主賓に
招いてイベントを開催する点が異なっています。


開業時増患対策チェックリスト

 

項目

具体的内容

実施時期

担当

チェック

(1) 認知度   向上対策

(     )枚を各戸に投げ入れ
配布範囲(          )

 

 

 

2.開院チラシ

(     )回実施
予約専用TELフリーダイヤル採用
地図の掲示を忘れずに

 

 

 

3.看板

よく目立つか
窓 廊下 建物ソデ 置看板

 

 

 

4.駅広告

 

 

 

 

5.NTT
タウンページ

特色ある場合強調
医療法改正規制緩和

発行時期限られる

 

 

6.インターネット
ホームページ

病医院紹介のサイトにおく
作成は忙しければ外注する
大学教官等の肩書きある場合活かす

 

 

 

7.広報誌
院内報作成

季刊号とすれば何回も使える
挨拶まわりにも使える
外注も検討(業者、保険医協会)

 

 

 

8.挨拶状送付

大学同級生よりも高校、中学、小学
奥さんの出身校

 

 

 

9.案内パンフレット作成

自由に持ちかえってもらう

 

 

 

10.診療方針
経営理念の確立

インターネットホームページを参考に、
自院の理念と方針を確立し、挨拶状、
スタッフ採用時の説明にも活かす

 

 

 

11.広告についての
全体的注意事項

特筆事項があれば強調する
医療法制約に注意
(有名大学、大学教官、海外留学歴、有名病院勤務歴、休日夜間診療、訪問診療、駐車場、ユニークな機械)

 

 

 

12.留守電の設置

診療日、時間、受付時間

 

 

 

(2) ルート開拓   対策

1.地元企業への営業 検診受注

足がかりとして
・取引銀行支店長
・生命保険営業所長
・損害保険課長
等に地元企業、有力者を紹介してもらう
検診案内、医院紹介パンフレットが必要

 

 

 

2.各種自治会への 参加、挨拶

マンション管理組合理事長
自治会長
老人会会長
子供会会長
民生委員
児童委員
保護司
PTA会長
商店街長
◎イベントがあれば協賛する

 

 

 

3.教育機関
アプローチ

保育園
幼稚園
小学校
中学校
高等学校
私学のほうがよい

 

 

 

4.医療機関(医科) アプローチ
(患者紹介先確保も含め)

(医科)
大学病院、公立病院、地域医療支援病院
私立病院、歯科医院

(歯科)
在宅歯科を手がける場合
内科医、療養型病院、老人保険施設、特養、
在宅介護支援センター、訪問看護ステーション、デイサービスセンター

 

 

 

5.院長の日常活動

買物は最寄の店で
両親、兄弟、奥様の実家などあらゆる人脈をたどる
紹介者には必ずお礼をいう

 

 

 

(3) 患者ファン化   活動

1.接遇対策

スタッフ教育を外部に委託
(例 日本商事経営研究所、モリタ関連会社、
独立コンサルタント)

 

 

 

2.リコール活動実施

 

 

 

 

3.中断患者電話再診

 

 

 

 

4.子供用ノベルティの準備

 

 

 

 

5.プロフィール紹介

院長、スタッフのプロフィール紹介を掲示する

 

 

 

6.感染症対策のアピール

パンフレット、待合室掲示、
滅菌している器具を具体的に写真掲示

 

 

 

7.内見会の実施

 

 

 

 

(4) 1.自費関連

2.紹介できる
医療機関の掲示

パンフレット作成
料金表の作成