(22)介護および関連事業
診療所の扱う各事業の成長性と収益性、競合
2000年に介護保険制度が導入されてから5年が経過した2005年に大幅な介護保険制度が見直しをされました。
その間、介護保険の総費用は2000年度の3.6兆円から2005年度の
6.8兆円まで2倍近く増えてきました。
まさに巨大なマーケットが出現したわけです。
2000年に17.4%だった65歳以上の人口が2050年には35.7%に
なると予測されています。
そうなれば介護保険の要介護者の数も増え、介護保険の総費用も増加
していくと予想されます。
患者さんの立場に立てばかかりつけのお医者さんにずっと診てほしい
という希望があり、お医者さんのほうからみれば自分の患者は人生の
ゴールまで診てあげたいという願いもあります。
そういうことから医療法人がさまざまな介護サービスに進出するのも
自然な流れということができます。
ここでは、主な介護事業の収益性と成長性と競合状況を検討して
みましょう。
|
収益性 |
市場の成長性 |
競合 |
デイサービス |
○ |
○ |
激化 |
デイケア |
○ |
○ |
横ばい |
訪問リハビリ |
△ |
△ |
横ばい |
訪問介護 |
△ |
○ |
激化 |
訪問看護 |
△ |
△ |
横ばい |
訪問診療 |
○ |
○ |
激化 |
訪問入浴 |
△ |
× |
横ばい |
グループホーム |
△ |
○ |
激化 |
外来診療 |
△ |
△ |
激化 |
この中では訪問診療が一番お勧めです。
収益性と成長性ではデイサービスとデイケアも訪問診療と同じです。
しかし、デイサービスとデイケアでは設備投資が必要になります。
さらに、介護職員を雇わなければなりません。
そういう意味ではリスクがかなり大きいといえます。
それに対して、訪問診療の方は設備投資も不要で職員を雇う必要も
ありません。したがって、リスクは非常に小さいのです。
診療所の今後の取り組み
在宅医療の強化は国の政策でもあります。在宅療養支援診療所制度が新しく作られました。
平成24年には介護療養病床の廃止が決まっています。
その受け皿となるのが在宅療養支援診療所です。
通常の診療所でも当然在宅医療はできますが、その診療報酬には大きな
差があります。
在宅医療の営業としては、病院の地域連携室と密接な関係を持つことが
近道といえます。
また、同時に歯科医、行政、保健師、民生委員などの人々とも連携を
とることが必要です。
どうしても営業が苦手だという先生には、製薬会社などのOBを雇って
数日間で集中的に介護関係の事業所を回ってもらうことも考えてはいかが
でしょうか。
費用的には1日2万円くらいで、事務長の名刺を作って回ってもらうことが
できるでしょう。
また、産業医・労働安全衛生コンサルタントとして企業と契約すると
投資をせずに安定した収入が得られます。
さらに、最近の傾向としては健康保険組合が予防に力を入れています。
年4回の健診を行ったり、成人病の予備軍の栄養指導などを行ったりして
います。そういう健康保険組合と契約する方法も検討する価値があります。
増収のための取り組みには、他にもサプリメント外来や治験なども
あります。
サプリメント外来は予防医学と代替医療の2本立てで健康ブームを
追い風に伸びていくと予想されます。
治験に関してはSMO事業者がCRC(治験コーディネータ)の育成と
派遣、治験に関するさまざまな業務を支援してくれますので、非常に
取り組みやすくなってきています。
これらの事業を含めて経営上のさまざまな相談にも乗ってくれる
コンサルタントを活用するとも非常に重要な診療所の経営戦略の一つ
といえましょう。
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